王子様と堕姫様





準備も順調に進み、形が整ってきた。


マリア様がいらっしゃるのは夕方ごろ。


花瓶に花を添えて水を入れているところに
あの王子はまたやってくる。


私の元にさり気無く近寄ってきた。


「ねえ、リア?
今日のダンスは僕と踊ってくれない?」



とんでもないことを言う。



私はあくまでも使用人の立場。


こんな服で踊っていたら
周りのマリア様を含めた貴族を
侮辱することになる。


第一、なんで私…


「お断りします。
服もありませんし踊れません。」