・・・赤ちゃん、みたい?


『・・・お前なんて嫌いだ』

「うん。激しく同意。
ねぇ、今、君の耳はふにふにしてて赤ちゃんみたいって思ったんだけど・・・。私、赤ちゃんを触ったことないんだ。なのに赤ちゃんみたいって揶揄しちゃった」

『それはお前がイメージしている"赤ちゃん"だからだろ?お前、赤ちゃんはふにふにしてるって決めつけてるんだよ』

「実際は違うの?」

『それは知らない』

「使えないね」

『酷いな。容赦がない』

「3日しか一緒にいないのにね」

3日しか一緒にいないのに、なぜだか懐かしい気がする。
って言うのは気のせいだ。
そう錯覚してるに違いない。
だって梔 ダンテは人間じゃないんだからな。
変な技を使われていたっておかしくない。

『俺、泣くよ?』

「泣けばいいよ。私、涙脆い人、好きだから」

『サディストか!』

「じゃあ君はマゾヒスト?」

『俺はノーマルだっ!』

ふっ。ノーマルな人間なんていないのにね。
まだまだ人間の基礎知識が足りてないな、この妖怪さとりは。

『だから、俺は人間だって!』

「普通の人間は狐のお面なんか下げていません」

『そこ!?』

「え?他にある?」

『俺、ちょっとミステリアスじゃない!?』

「どのあたりが?それなかったらただの不審者だから。けーさつ呼んでるから。召喚しまくってるから」

『この面のおかげで俺ここにいれるんだなー。感謝ー、感謝ー』

「うわっ、涙目だ!泣け、泣くのだ!慰めてやるから!」

『誰が泣くか!』