「ただいま……」 そうつぶやき、自分の部屋へ向かう。 お母さんは鼻歌歌いながら料理してる。 お母さんはいつも元気に振る舞う。 見習いたいよ。 「美結、帰ってきたの?」 ドアを開ける寸前、お母さんに呼び止められた。 「遅かったわね……どうしたの?」 「ちょっと、昴のとこ行ってた」 「あら、昴くんのところ?そうね、明日はバレンタインだものね」 陽気な声でそう言うお母さんに、泣きつきたくなる。 「……上手くいかなかった」 「え?あら、美結……」 近寄ってくる気配がして、お母さんの方を向く。