「いって……ちょ、待てっ!美結!」 昴の伸ばす手からヒラリと逃れて、あたしは運良く来ていた電車に乗った。 一度も昴を見ずに。 「っ……」 ……もう、顔を合わすことなんてできないよ。 怖いよ、あの時みたいに切り捨てられるんじゃないかって。 でも、そういうことをされる決定打をあたしは、やってしまった。 ……これで終わりだ。 6時前の電車は仕事終わりの人たちでいっぱいで。 よかった、涙を見られることはない。 外側を向いて、家まで帰った。