でも、涙のせいでその言葉は言えなかった。 「フォンダンショコラ、って言うんだっけ?俺が食べたかったやつ」 そう、東雲くんの食べたかったやつ。 「っ、東雲くんにっ、あげるやつです、」 やっとのことで声を出せた。 「……本当に?俺にくれる?」 「、はい……」 あたしがそう言うと、東雲くんはふっ、と笑った。 「顔、隠さないでよ」 そう言いながらあたしの手を退かそうとする。 「イヤです。恥ずかしい」 あたしは顔を押さえる手に力を込める。 グッと力を込められるけど、あたしも負けない。