引きずられながらテーブルに無理やり座らされた彩香の隣に座り、ジョージはこれ見よがしに頬をさすって。
「あれ? 何かこっちのほっぺたが痛いなぁ・・・何でかなー」
「テメェ勝手な事してるからだろ」
程なく、ウエイトレスが瓶ビールを運んでくる。
「グラス無し、王冠付けたままでいいのよね、お客さん!」
ビールの瓶と栓抜きだけをテーブルに置いて、ウエイトレスは言った。
その腰を抱き寄せて、ジョージは笑う。
「ちゃんと覚えてるくれたんだな、可愛いなみっちゃん!」
「さっきから何本もそうやって注文くれるんだから、そりゃ覚えるわよ。ダメでしょ、彼女を怒らせちゃ」
「怒らせた?」
「さっき見事に殴られてたじゃない」
げっ、見てたのかと狼狽えるジョージの手をそっとほどいて、ウエイトレスは笑いながら仕事に戻っていく。
王冠がついたままの瓶ビールを睨み付けている彩香。
「どうしろっつうんだ・・・」
こんな酒の出し方をする店を、彩香は見たことがない。
まぁまぁとか言いながら、ジョージはビールの栓を抜くと、彩香の目の前に置いて。
「瓶ビールはこの飲み方が一番旨いんだよ」
「どうでもいいけど、今まで何してたんだ。どうしてここに居るんだよ?」
半ばヤケクソで瓶ビールをラッパ飲みしながら、彩香は聞く。
「俺はずっとここに居たぜ? ビールなんてもう六本目だし」
彩香も開店直後からここに来ている。
もしこっちに気付いていたのなら、何故早く声を掛けてくれないのか。
するとジョージは腹を抱えて笑い出す。
「だぁってよ、お前珍しくナンパされてたし! 邪魔しちゃ悪いかなぁって」
「誰がナンパされてんだよ。それに、結果邪魔してんじゃねぇか」
「あそこで止めなかったら、佐久間を殴ってただろお前」
うっ、と彩香は言葉に詰まる。
それにしても、佐久間のあの馴れ馴れしい態度、思い出しても鳥肌が立つ。
「あれ? 何かこっちのほっぺたが痛いなぁ・・・何でかなー」
「テメェ勝手な事してるからだろ」
程なく、ウエイトレスが瓶ビールを運んでくる。
「グラス無し、王冠付けたままでいいのよね、お客さん!」
ビールの瓶と栓抜きだけをテーブルに置いて、ウエイトレスは言った。
その腰を抱き寄せて、ジョージは笑う。
「ちゃんと覚えてるくれたんだな、可愛いなみっちゃん!」
「さっきから何本もそうやって注文くれるんだから、そりゃ覚えるわよ。ダメでしょ、彼女を怒らせちゃ」
「怒らせた?」
「さっき見事に殴られてたじゃない」
げっ、見てたのかと狼狽えるジョージの手をそっとほどいて、ウエイトレスは笑いながら仕事に戻っていく。
王冠がついたままの瓶ビールを睨み付けている彩香。
「どうしろっつうんだ・・・」
こんな酒の出し方をする店を、彩香は見たことがない。
まぁまぁとか言いながら、ジョージはビールの栓を抜くと、彩香の目の前に置いて。
「瓶ビールはこの飲み方が一番旨いんだよ」
「どうでもいいけど、今まで何してたんだ。どうしてここに居るんだよ?」
半ばヤケクソで瓶ビールをラッパ飲みしながら、彩香は聞く。
「俺はずっとここに居たぜ? ビールなんてもう六本目だし」
彩香も開店直後からここに来ている。
もしこっちに気付いていたのなら、何故早く声を掛けてくれないのか。
するとジョージは腹を抱えて笑い出す。
「だぁってよ、お前珍しくナンパされてたし! 邪魔しちゃ悪いかなぁって」
「誰がナンパされてんだよ。それに、結果邪魔してんじゃねぇか」
「あそこで止めなかったら、佐久間を殴ってただろお前」
うっ、と彩香は言葉に詰まる。
それにしても、佐久間のあの馴れ馴れしい態度、思い出しても鳥肌が立つ。

