「おい!」 グイッと腕を引っ張られれば、目を合わせようとしない私を見て、今度は伊藤先輩がため息を付く 「この子ちょっと借りるね」 そういい放てば、キョトンとする実樹をその場に置いて、私の腕を引っ張りズカズカと歩きはじめる 「な、なんですか!」 誰も居ない調理室に移動させられれば、伊藤先輩を見てむっと頬を膨らませる 「…人の顔見てため息つくとはいい度胸だなあっと思って」 にこっと不気味な笑みを見せると、私の頬を両手で摘む伊藤先輩