私は、メールで直人に仕事の事で
お話しをして来ます。
今日は、遅くなります。

「良し!これは、仕事だから。」

タクシーを止め乗り込んだ。

目的地のイタリアンレストラン。


「いらっしゃいませ。」
「あの、笠原ですが…。」
「お待ち合わせの山本様がお待ちです。こちらです。どうぞ。」

奥の別室に案内された。

「失礼します。笠原です。お待たせいたしまして。」
「葵…ごめん。こんなのふうにしか呼び出せないと思って…。座って?」

「うん…。」
「仕事の事もだけど、俺達やり直さないか?」

「仕事の事だって言うから、来たの。
プライベートな事なら電話でいいよね?
帰る!」

「待って‼︎葵!!」ぐっと身体を腕の中に引き込まれた。
「い…や…。離して…。お願いだから…
私…。もう、洋輔の彼女じゃないよね!
見たでしょ?直人しか受け入れられないの。好きなの、愛してるの。」
「直人は、私のずっと好きだった人。
心も身体も直人を求めてたの。それにやっと気づいたの。だから…。もう…。」

「葵!!酷いこと言ってごめん。俺のものにしたかった。でも…。もうダメなのかなぁ?もう…。」
「ごめんなさい。洋輔。ありがとう。
そして、さよなら。」

「クソーー!!」ガンとテーブル叩き
彼は、うなだれた。

私は、黙って部屋を後にした。
お店を走って出た。
「直人…。けじめつけたよ。ちゃんとね
少し、怖かったけど…。」全身の力が
抜けその場に座り込んだ。

ふわっと腕を掴み立ち上がる身体?
「葵…
。探した…。なんで相談せず
勝手な事をする?」
「ごめんなさい。迷惑かけられないって
思ったの。取引先の会社の人でもあるし…。」
「そんなのどうでもいい!葵が
無茶する方が俺は、迷惑だ!」
ガシッと抱きしめられ、乱暴に
唇を重ねた。
乱暴なはずなのに、何処か優しいキス。
あ〜。私は、直人を求めてたの。
愛してるの。世界で一番。
愛してるの。