女たらしの彼と初恋の私


「神谷…」

名前を言おうとした瞬間。

キーンコーンカーンコーン

え、嘘でしょ!?
このタイミングでなるかな!?

「あ、やばいな。またあとで!」

そう言って、走っていってしまった。

「神谷…君…」

そっと声に出してみる。

苗字は聞き取れた。
でも、下の名前はわからなかった。

またあとでって言われたから…。
あとで、聞いてみようかな。

そう思い、私も走って教室に向かった。