「線香花火、先に落ちた方が負けな?負けた方は、勝った方の言うこと聞く。」

「いいよ。」

夏樹の提案に、安易に賛同したのが間違いだった。

まさか、未開封の花火に細工が施されていたなんて。

案の定、私は負けてしまった。

「…俺の願いは。」

ゆらり、夏樹の手が私の首元に伸びる。

「俺だけの千香になること。」

グッ…