奈和「間に合ったー。」 ギリギリ出発前に間に合い、電車に急いで乗り込む。 空いていた席に座ると、丁度電車が出発した。 窓の外の景色がビルが立ち並ぶ市街から、閑静な住宅街、のどかな山へと移り変わっていく。 私はほんとに高校生になったんだな、と呑気なことを考えていた。 これから通う高校で、彼に出会うことを知らずに。