Sweet†honey

ガサッ。


背後から音がした――――――
肩で息をしながら、眉間にシワを寄せたまま鬼のような形相で、かっ!と顔を向けた私の視界に映ったのは



イヤフォンをつけて片手でスマホ操作、片手はコートのポケットに沈めて、前腕部にコンビニの袋をぶら下げてる

長身の美男。


チェックのマフラーに、マッシュウルフの髪が印象的なんだけど、それよりも、吸い込まれそうな目と、整いすぎた顔面がやばい。




やばいんだけども
それよりも違う意味で【やばい】のは
私の、この形相だよね






ビクッとした美男は、少し私から遠ざかりながら、【見てはいけない】なんてかんじで、速度を速めて私から離れてくのっ。



あまりのイケメンな登場にさ?
ファミレスの窓際に着席してる女共が、キラキラした眼差しで見つめてるくらいだよっ。






‥‥‥最悪っ
絶対怖いものを見る目だったよね

悲惨
悲惨




肩を落として、遠ざかる背中を見つめもちスマホを耳にあてた。



『ほっほっほっ。。元気のいいお嬢さんですな』
安定した声が聞こえてくる。



「‥‥なに笑ってんの?
もういいよ。あんた貧乏店長って分かってんだから
直接店行くから。じゃあね」

溜め息がまじる。