「新選組、出陣いたす!」
近藤の力強い声が響く。
そして、それを合図に、各組長が自分の組みを率いて、戦いにむかった。

花織もその中の一人である。
「誰一人、死ぬことなく、みんなでまた、宴会をしましょう!」
私は、怖い。この中の誰かが、もしくは自分が、死ぬということが。
本来ならば、命をかけて戦え、などと言うべきところだが、そんなこと言えるはずがなかった。


また、一人、一人。人を斬る。いつの間にか慣れてしまったこの感覚。自分が自分でなくなってしまうような気がして、なんとも言えない思いだ。



だが、山野と背中合わせになって戦うということもまた、気がつくと慣れていた。

後ろを任せられる仲間がいる。
その事実が、若い花織にはかなり心強かった。