「強がらんでええよ。
どんなに強い新選組の隊長とはいえ
花織は、
女の子やねんから。」
<女の子>
それは、私が幕末に来てから随分と遠ざかっていたものだった。もっとも、平成にいても女の子扱いなどされていなかったが。
幕末にきてからの私の姿はどっからどう見ても男だ。
そんな私を女の子扱いしてくれる。
頬が熱い。
それを隠すためにとりあえず目の前にある山崎の胸に顔を埋めた。
「ごっつ可愛えなぁ。
花織みたいにこんなにいい先輩がそばにおるような運のいい奴なんておらんで。
だから、今は泣いとき。
山崎先輩の胸くらいなら貸したるからな。」
「ありがとうございます...。
山崎先輩...。」



