私と沖田さんは全力疾走で、広間へ向かう。



それをドスドスとすごい音を立てて追いかけてくるのは鬼のような、般若のような人。


まるでリアル鬼ごっこである。



「待ちやがれ!」



「鬼に待てといわれて待つひとがいますか。」



沖田さん、ごもっともです。



「誰が鬼だー!」



「私達を追いかけてくる人ですよ。



あっ…、人じゃないか、鬼か。」




「ゴラァー、花織! 調子のってんじゃねぇ!」


あぁ、うるさいうるさい。




「花織さん、広間まであと少しっ!」




「そうですね、沖田さん。頑張りましょう!」





その時だった。



肩をガシっと掴まれ、恐る恐る後ろを向く。



「あはは…」



後ろにいたのは、



鬼だった。



とりあえず愛想笑いを浮かべ、隣の沖田さんを置き去りにして、私は、朝餉を食べるべく、広間へ一目散に逃げて行った。




広間には、朝餉が並べてあった。

とりあえず永倉新八と原田左之助の隣に座る。


そして、安全に朝餉を食べれる。





ーーーはずだった。