「私、優くんのことが前から好きで、告白したの。

そしたら好きな人がいるって言われてね、振られちゃったんだ
でも私、どうしても優くんと付き合いたかったから


『付き合ってくれなかったら、優くんの好きな人、大変なことにしちゃうよ?』


って、優くんのこと、脅しちゃったの。

それで無理やり付き合うことになったの。………一週間だけね

それで今日の朝、振られちゃった」





そう言って小林先輩は寂しそうに笑った




優は脅されて付き合ってたのか?



「そう、だったんですか」



優は好きな人を守るために小林先輩と付き合ったのか?



朝教室に帰ってきたとき、嬉しそうな顔だったのは、小林先輩と別れたから?


「でもなんでその話を私に?」




「…私ね、天野さんは優くんのことが好きだって分かってたのに、無理矢理付き合ったの。


悔しい思いさせてやろうと思ったの。

見せつけてやろうと思ったの」



え……


私が優のこと好きだって、気づいてたのか?



「でも…そんなことしても優くんは全然振り向いてくれなくて。


私、何やってんだろうなぁとか思ってさ。


ほんとごめん、今まで」



先輩は目に涙を溜めながら謝った


「いやいや、なんで先輩が謝るんですか」



まぁ確かに嫌な思いはしたけど、別に先輩の事は怒ってない



「でも…ごめんね…っ」



「い、いや…」



泣き出す先輩に戸惑う私




「ごめん、話は、これだけ…」





「…分かりました。

話してくれて、ありがとうございます」



私は微笑みながらお礼を言った



「…うん…っ。


天野さん、私の分も、幸せになって?」



「へ?あ、は、はい」



小林先輩の分も?



「それじゃ」




よく意味がわかんなかったけど私は中庭を出て教室へ向かった