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放課後




「凛ちゃん萌ちゃん!帰ろ!」



笑顔でとたとたとこちらに走ってくる美里




今日は部活が休みの日なので、美里の弟に会いに行く約束をしている



美里の家は共働きで、両親は夜遅くまで帰って来ないらしい




「おう、行くか」



「楽しみ〜っ」




私たちはワクワクしながら学校を出た




学校からそんなに離れていない『星の子幼稚園』へ向かう




そういえば、私もそこの幼稚園だったな、なんて




ワイワイお喋りしながら幼稚園までの道を歩く



「凛ちゃんって頭狂ってるの?」


とか




「凛って、バカなのね」





とか、話の内容はほとんど私がけなされている




私は一歩だけ下がり、後ろから2人を追った



…………ていうか




最近の私は、すごい病に陥っている




その名も、『優を見るとドキドキしてモヤモヤする病』




こんな感覚、優と十何年一緒にいたのに、初めて感じたものだった



だからきっと、これは病気。



心臓が突然バクバク動き出す原因はわからない



だから、きっと悪い心臓病なんだ




私はそんなことをボーッと考えて俯いて歩いてたから、こんな二人の会話は聞こえなかった




「ねぇ萌ちゃん。
凛ちゃんって、恋愛未経験?」


「そうよ。
告白は何回もされてるみたいだけど、誰かを好きになったことはないみたい」




「へぇ〜そうなんだ。
でも今は例外みたいだよね?」




「ふふっ、そうね」




「凛ちゃん、早く自分の気持ちに気づくといいね!」



「そうね。
優も、苦労しそうだわ」



「はははっ、そうだねっ」



………なんて会話