「ありがとうございました」と言って保健室をあとにする



「1人で歩ける?」と言われたけど「だいじょぶです」と言ってきた



本当は歩くたびにまだ傷が痛むけど、さっきより痛みは引いたから、これくらい我慢できる



私はチビチビと歩きながら校庭へ出た




「凛!だいじょぶなの!?」

「凛ちゃんっ、大丈夫?」



校庭に戻ると、萌と美里が駆け寄ってきた



「あー…まぁ」



「凛ちゃんが転んだって聞いて、すごく心配したんだよっ…っ」



目に涙を浮かべてこちらを見る美里



ほんといいヤツだな、こいつ


「体育祭前に怪我するとか……
ほんと凛はバカで困るわ。

…心配かけるなバカ凛!」



相変わらずややツンデレ気味の萌



正直じゃないやつだな、ほんと



「心配かけてごめん

少し転んだだけだよ」


「少しって…よくそんな包帯ぐるぐるになって言えるわね」



うっ……



まぁさっきのは少し嘘かもな



「凛ちゃん、無理しないでよ?」


「おう」



私は可愛く見上げてくる美里の頭を撫でた



「当分走れそうにないけど、体育祭までにはちゃんとなおすから。

心配しないで練習に戻って?」



「嘘つけ。
凛の治癒能力の低さ、知ってるんだからね?」



げ…


萌にはなんでもお見通しかよ


「ま、まぁ…とにかくもう練習にもどれ」


「な?」と言って2人の背中を押す




「わ、わわ」


「ちょっと!」



「騎馬戦の練習、見てみたいから早く行こうぜ」



私は2人の言葉なんて聞かないふりして騎馬戦の練習場所まで来た