ザワザワと騒がしい講義室



私は1番奥の席が空いているのに気づき、そこへ座る



何気なく周りを見渡したら、女子の集団の1人と目があった



「あ!あれってウワサの凛萌の凛ちゃんじゃない!?」



あー、見つかった


「きゃー!ほんとだ!
生で見ると本当にカッコいい!」


「ねぇねぇ!凛ちゃんの周り空いてるからそこ行かない?」


「いいねいいね!いこ!」


は?来んなよ!



女子の集団はキャピキャピしながら筆記用具を筆箱にしまい、こちらに歩いてくる


あーまじかよまじかよまじかよ



こんな時までつきまとわれなきゃいけないわけ?


どうする、凛


考えろー!


「ねぇねぇ、凛ちゃん、隣いい?」



……遅かったか


「……。」


私は最終兵器、『無視』を決め込んだ



「凛ちゃん?
じゃ座っちゃう「どけ」



「は?」


突然聞こえた低い声に驚いて声が出てしまう


その声の主が

「…優?」


優だったから、なおさら



「ゆ、優くん?」



「どけって言ってんの、聞こえないわけ?」


優は冷めた目つきで女子を睨む



「あ、ご、ごめんなさいっ」



そう言って女子は逃げるように走っていった



「……隣いい?」


「…どーぞ」



ガタッといって椅子に座る優


助けて、くれたのか?




「あ、ありがと?」


いちおうね、いちおう



「なんで疑問形なんだよ」



「なんとなくだけど」



「…あっそ。」




はぁとため息をついて机に顔を伏せる優



なんだなんだ?


最近優の様子がおかしいのは気のせいか?