「ちょ、ちょ待て!」
食べかけのサンドイッチを持つ俺の言葉なんか無視して
亮は俺の腕を掴んで教室を出て行った。
「~♪有沢さんってどんな子?」
「は?―…メガネに三つ編み?」
「まぢかよお!
超がり勉そ―じゃん!」
ハイハイハイハイ。
亮は一々うるさいなあ。
「きゃあ!敦陽くん!」
「こっち向いてえ♪」
廊下を歩くだけでコレ。
慣れたケド…
うっせ―わあ。
何で女って
あんなにすぐ騒ぐ生き物なんだろ。
「んじゃあまずここからあ♪」
立ち止まったトコは、2年A組。
「あ、敦陽だあ!
ど―したのお?」
そう言って寄ってきたのは
水口 枝音―ミズグチシオン―
女友達でも、結構仲がいいほう。
「よう枝音。有沢紅憂ってこのクラス?」
「え!?」
尋ねただけなのに
枝音はめちゃくちゃ驚いていた。

