ボスッ 誰かが俺にぶつかってきた。 これ、 昨日もあったじゃん。 「ゴメン、大丈夫?」 「あ、ハイ…大丈夫ですっ」 「ふ―ん。 なら良かった…てあれ!?」 俺は思い切りその子の顔を覗き込んだ。 「あ!…あなたは!」 その女は、有沢 紅憂だった。 有沢さんは、人差し指でメガネを上げ、 俺をもう一回見直した。 「白波くん!」 だから敦陽でいいって言ったのに…… 「あ、この子が有沢さん?」 亮が超興味津々に、有沢さんを見つめる。