ラブモーション

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「お気の毒よねぇ。」

「ほんとよ、妹さんもまだ十歳でしょう?」

「ショックでしょうねぇ、奥さんも。」

「旦那さんと離婚してまだ三年ですものねぇ。」


部屋中を目まわるような忙しさで行きかう喪主の母親。

そして、喪服やスーツを着た女の人、男の人たち。


まだ十歳になったばかりの私には、今何が行われているのがなんなのかを理解していなかった。

だけど、これだけは分かっていた。



「長男が死んでしまうなんて。それに、叔母様も。」





兄が死んだ。叔母さんも死んだ。



警察の話によると、空き巣に入られたらしい。

そこにちょうど居合わせた叔母さんがキッチンから持ち出された包丁によって刺された。

そして、二階の自分の部屋にいたお兄ちゃんも・・・。


いや、違う。

後になって冷静に思い出すと、兄はあの黒ずくめの男に殺されたのではない。


ヒソヒソと周りで同情の声が、言葉が、耳にすっと入ってくる。

私は悔しさに、俯いて下唇をかみ締め、ぎゅっと服の裾を握り締めた。


「お兄ちゃんは、私が殺したんだ・・・、」


そう呟いて、またゆっくりとまぶたを閉じた。