「愛希ちゃん、俺に言うことある?
俺はもう卒業でーす」





抱きしめながら
そんなこというなんてずるい

抱きしめられて
私の顔は先輩の胸元にあるから
とりあえず言いたいことを
たくさん言ってみた



「卒業おめでとうございます」




「うん、ありがとう」




「先生に告白したんですか?」




「ううん、してないよ」




「なんでですか」




「それは先生のことを
恋として好きじゃないからだよ」




どういうことですか、それ…




「愛希ちゃん、俺からちょっと
言わせてね?



愛希ちゃん、俺愛希ちゃんのことが
好きなんだ」




「えっ」




抱きしめられているから
先輩の顔は見えないわけで
私の真っ赤な顔も見られていない





「先輩は先生のこと好きなんじゃ?」