キョロキョロ周りを見ている荻原くん。
そんな荻原くんと目が合ってしまった。







「おっ、ちぃーじゃねえか!」
一瞬時間が止まったような感覚がした。





私のことをちぃーと呼ぶのは、ゆうくんしかいない。
少し嬉しそうに笑うゆうくん。





そんなゆうくんを呆然と見ることしか出来ない。




「久しぶりに会うけど全然変わってねーな!」
あんたは変わりすぎだ!!!
ホントにゆうくんなの!?



「おいおい、オレのこと覚えてるよな?」




「うん…」
そりゃ、初恋の人ですから。



「おっ、さっそく知り合いがいてよかったな!」
先生、あとは頼んだって言う眼差しをしないで!




「じゃあ、ちょうど和田の隣が空いてるからそこの席に座れ。」




「うぃーす。」
嘘でしょ!?なんで私の隣なのー!
1人席は寂しいと思ってたけど!
ズンズンと歩いてゆうくんは、私の隣に座った。
思ったより背が高い。
180ぐらいかな?かっこ良くなった。




「よろしくな。」
無邪気な笑顔とたったひと言の言葉。
昔のゆうくんと重なる。
不意にドキドキしてしまった。