「つまらない…」

雪降る街に溶け込んでいる
少年からはひたすら同じ言葉を呟いた。

毎日同じ事の繰り返し…

今日もまた暗闇の中で
ターゲットを殺していく。

別に何もいつもと変わらない…

抵抗される訳でも無く
呆気なく他人の人生にピリオドを打つ。

《blacknightmagic》なんて名で呼ばれ、

「君は綺麗に美しく
 私を殺してくれるんだから
 抵抗などしないさ」

そうターゲットに
言われる事も少なくない。

いつから言われるようになったのかも
分からないくらいに浸透した少年の異名。

幼きその心には

誰も俺を見ようとしない…

皆、俺を見ているようで
見ているのは暗殺技術だけ…

つまらない…

つまらない…

つまらない…

誰でもいいから本当の俺を見て…

そんな叶わない儚い願いを持っていた。

叶わない事を知っているのに…

だから口癖になった
「つまらない」と言う言葉…

口を開けば「つまらない」の一言。

今も呟いたその言葉は
真っ白な雪の中に消えていった…