部屋に戻ると、ドリームノートの本を読み始めた。

ドリームノートの作者は、
ノートに夢を書き出して、
具体的にどう叶えて行くかなどと書いてあった。
仕事の夢。
結婚の夢。
旅行の夢。
項目を作って、ページごとに切り抜きを貼って、自分の叶えたい夢を書き込んだり。

「すごい、この作者は、10の夢を叶えてる。」
仕事も結婚もお金も欲しい物も。
そして、大きな夢から、日常の夢まで。

私には、今は何にも無い。

そうそう、実行しなくちゃ。
机に丁度、真っさらなノートがあった。

表紙は、ゆいのドリームノート。

まずは、項目作り。

1.新しい仕事に就く。

具体的に何かというと、まだ分からない。
でも、一つだけ。
やり甲斐がある仕事がしたい。
そう書き込んだ。

2.幸せな結婚をする。

何も無い私には、相手なんかいないけど、
友達の幸せそうな姿を見るたび、
私も素敵なダンナ様が欲しいって思う。

3.海外旅行をする。

旅行なんて、仕事がいそがしくて行けなかった。
ゆっくり南の島でもいきたいな。

それから、
お料理のレパートリーを広げたい。
英語が話せるようになりたい。
新しい洋服が欲しい。
コンサートに行きたい。

などなど、どんどん書いてみた。

ページごとに、まだまだ書き加えられるようにして、ノートを閉じた。

気分は爽快。
その時、携帯が鳴った。
「もしもし、ゆいちゃん。」
電話の相手は、母の友人の小山のおばちゃんだった。