その後、かなりの間の沈黙。



なにこれ、なにこれ、気まずすぎるだろ。




その沈黙に耐えられなかった私はとりあえずなにかしゃべろうと努力した。



ガヤガヤ煩い廊下のはずなのに周りの音は全て消え、上履きの音だけが響く。





逃げ出したい気持ちを抑えてあえてゆっくりと歩く。





これはかなりヤバいのではないか。






あろうことか咲さんにとっさに出てしまったとはいえ偽名を教えてしまった。






これがバレるのは時間の問題かもしれない。



顔は覚えられてる訳だから私の人生が終わるのは時間の問題だ。





だが、さっきから1つの不安を拭うことができないでいた。





「あのさ、理穂………。」







「何……………。」






あからさまに落ち込んだような声で返される。








「本当にA組に山田花子さんいなかったよ  ね………?」







ま、まさかいるはずないよね。




今時、花子なんて珍しすぎるよね。



うんうん、大丈夫大丈夫………。







「それが居るからヤバいのよ………」








「まじかあああああああああ!!!!!!」










人生でトップクラスの失態をしでかしてしまったようだ。