「おひさーーー」
ハイテンションのみんな。
「トロフィーもう飾られてる!」
みんな興奮している。
もちろん私もその一人。
「ちょ、ゆなのーーー!」
かのがやってきた。
「きてきて!」
凄くうれしそうに手招きしている。
「どうしたの?」
「ゆなの!よかった。ゆなのぉー」
そう言って抱きついてきたかの。
「え、なになに?」
「あんね、松坂くんに告れ!」
私の頭の中はハテナマークだった。
「松坂くん、ゆなののこと好きなんだって!!坂田が言ってた。」
「どうせ、嘘でしょ。」
私は信じきれなかった。
嬉しさはあったけど、そんなの、ある訳ないと思ったからだ。
「ほんとだって!見てあっち!」
かのの指の先をたどってみると、坂田と松坂くんが話していた。
「あれね、坂田が今日の放課後ゆなのが話があるって、今言ってるの」
「…え?放課後…?」
「うん!」
笑ってかのは言った。
「ここは√と言うものを使って…」
先生の話など頭に入らない。
今日一日、物凄く緊張している。
斜め前の松坂くんを見つめて、ドキドキしている。
授業がおわり、10分休憩に入った。
「谷山、放課後、話あるんだろ」
ドキッ!
「なんか、わかんねーけど楽しみにしとくからな」
そう言って笑う松坂くん。
私は小さくうなずくしかできなかった。
時間は刻一刻、放課後にせまっている。
ーキーンコーンカーンコーン
あ、終わってしまった。
しょうがない。やるしかない。
私は、逆に開き直っていた。
「松坂くん!」
「おー、もう放課後だな」
「こっちきて」
体育館の裏側に呼び出し、わたしは決心した。
「部活入る前でごめんね?」
「…いいよ、別に」
優しい松坂くんの声。
ほっとしたような、まだ緊張してるような…
「あぅ…な、あの、ね、あのその…」
ムードが台無しだ。
噛み噛みで焦っていた。
「ゆっくりでいいよ」
真剣な松坂くんの顔に少し救われた。
「あの…ね、気づいてると思うけど…」
「うん」
「私ね…松坂くんが好きです」
「うん、気づいてたよ」
「でね…付き合って下さい…」
「俺も、谷山のこと好きなんだよ?気づいてた?」
「知りませんでした」
ロボットみたいになってしまった。
「あはは!そういうところ。俺も好きなので付き合って下さい」
「はい…!」
しか答えはなかった。
「じゃあ、俺、ゆなのってよぶね?」
「お願いします。私はなんて…?」
「けんと、とか、…んー、なんでも」
「けんとっ!」
「なに?どうしたの」
「呼んだだけ」
「そっか。それじゃあ、今日は何日だ?」
「5月29日」
「んぢゃ、ここから俺たち始まるな!」
「うん!」
「これから色々あるだろーけど、誰にも負けないカップルになろーぜ!」
「はい!」
今日、5月29日から、大好きなあなたとの恋愛が始まった。
とても、嬉しい、幸せな一日だ。
神様。
いるのなら、ありがとうございます。
これからも見守ってください。
そう思いながら今日も眠りについた。

