「おはよう」
いつもと変わらない日々。
「おはよー」


「やば、眠っ!ってか、宿題してなーい」
私の口癖はなおらない。

「あー!明日体育祭じゃん!」

みんなが楽しみにしている体育祭。

もう明日か…


「ゆなのー!」

教室のドアから響く声。

「かのぉー、どうしたの?」

ちょっとこっち着てと、手招きしている。

かのの元へ行くと…


「ねー、はやく、ゆなのも告りなよ!」


「無理だよー」


「大丈夫だって!」

ーキーンコーンカーンコーン

「あ、チャイムなった!また後で」

走って戻るかの。


席に着くと、斜め前には私の好きな人がいる。

「谷山ぁ」

ドキッ!と胸が高まる。

「な、なに?」


みんな、私が、松坂くんのことを好きってことなぜか、知ってる。


「ヒューヒュー」

ヤジがうるさい。


「やっぱなんでもないや」



「顔あけーぞ!谷山ぁ」

くそぉーー!ヤジのせいで…!



放課後になるとちょっと遠い公園で、久々かのとミーティング。

「3年生なって彼カノ増えたよねー」


ジャングルジムの上で空を見ながら私は、ぼーっとして言った。


「んー、そーだねー」



「かのいーなー」



「告りーよ」



「松坂くんとつき合いたいなー」



「ゆな!ゆな!」


私の袖を引っ張りながら指を指している。



かのの、指の先を見ると、松坂くんがいた。

「今日まぢツイてる!」

明日の体育祭がとっても楽しみになった。

「このまま、帰ろ!」



もう、二度と来ることのないこの日。
幸せいっぱいの気持ちでこの日は終わった。