「おじゃまします」


男の子部屋に初めて入った。

香水のいい匂いが充満していた。

茶色や白や、モノトーンで片づけられていた。


「さてと、UNOでもしますか」


平尾がUNOを持ってきた。




「次、かの!」


「やばっ、私ない!」

かのがボタンを押すか押さないか、ギリギリで止まっていたら、


「早く押せよ」

と言って平尾がかのの手を押した。



手が触れた。


カードがたくさん出てきたけど、かのは嬉しそうに顔を赤らめてた。



みんな、打ち解けたように、笑顔が飛び交った。

楽しい時間もあっという間に終わりを告げる。




「あ、もうこんな時間!」

平尾が言った。



「俺ら、送るよ」



「えっ…?」


「じゃあ、俺かの送るわ。けんとは、谷山よろしく」


心が変な気持ちになっていた。
うれしいし、心が弾むけど、緊張の方が勝つ。


「おじゃましましたー。」