あくる日、母が子供を授かった。

母はとても嬉しそうに、幸せそうに笑っていた。

父も同じ。

でも、私は笑ってなどいなかった。

怖かった。

新しくできる家族が、

私の居場所を奪うんじゃないかって。

私は忘れられるんじゃないかって。

だから酷く母を恨んだ。

『子供なんて私一人でいいじゃん』

子供心にそんな事を思った。

それでも、新しい家族を楽しみにしていたのも事実。