そんな透に夏樹くんが何か言ってる。 透はうざったそうに眉をひそめてるけど。 「透先輩」 湊くんが透に駆け寄った。 透が湊くんと向かい合う。 緊迫した空気。 私は、ごくっと唾を呑み込んだ。 「俺。こいつと出会って、変わりました。いや、変わろうと思いました。だから、甲子園に絶対行ってみせます。練習もこれからちゃんとします。」 湊くんが頭を下げた。 「今まで、迷惑かけてすみませんでした」 その場にいるみんなが、顔を見合わせた。 湊くんが、頭を下げるなんて。 透が頭をかく。