「でもその様子じゃ、応援歌。聴いてもらえたみたいだね」 心春が私の肩をポンポンと叩いた。 「うん。甲子園に連れてってくれるって。詠斗を超えるくらいに、すごくなってみせるって言われたの」 私が言うと、「それは告白じゃない?」と夏樹くんが割って入ってきた。 まさか、話を聞かれてたなんて。 「盗み聞きなんて、たち悪いよ」 私は頬をふくらませた。 「盗み聞きじゃない。聞こえてたんだよ。なあ?透」 夏樹くんがそばにいた透の方を向いた。 面白くなさそうに「ああ」とうなずく透。