「あ!綾野くん!もう遅いよ……。雫?」 ボールがたくさん入ったカゴを持った心春が駆け寄ってくる。 「もう!心春ー!練習が終わってから誘ってね!って言ったのに……」 「え。私、なんにも言ってないよ?綾野くんがいきなり『トイレに行く』って言い出して……」 「え?」 じゃあもしかして、屋上に湊くんが来たのは、私を見つけるため? 湊くんをみると、裕也くんと甲斐くんと楽しそうにお喋りなんてしてる。 私はカァッと顔が赤くなるのがわかった。