涙が頬を伝う。 湊くんの鼓動の音が私に響いてくる。 「……私の、歌を……」 私は湊くんの胸から離れると、ギターの弦を鳴らした。 「歌?」 「湊くんのことを思って書いた、応援歌なの。聞いてくれない?」 湊くんがゆっくりうなずいた。 私は、深呼吸をしてから空を仰ぐ。 伝えるんだ――。 私の、想いを――。