呼吸が、できなかった。 詠斗の……弟なの?湊くんは。 「……兄貴っていっても、腹違いの義理の兄貴だよ。俺は、兄貴を尊敬してた。だから、この高校に入ったんだ。だから、あんたの事も兄貴から聞いてた」 私のことも? 詠斗は湊くんに私のことを、なんて伝えたの? 「……大事な彼女がいるって。甲子園に連れてって、特大ホームランをプレゼントしてやるんだって……。張りきってたよ」 でも詠斗は、死んでしまった……。 私がうつむき、必死に涙をこらえてると、 湊くんがさらに強く私を抱き締めた。