あいつから頬を叩かれて、一夜があけた。 なぜか、俺はスッキリしなくて。 練習にも身が入らなかった。 「……なあ。なんかあったわけ?」 バットを磨いてると、裕也から話しかけられた。 なんでこいつ。分かるんだよ。 「別に。何にもねえよ」 「片瀬先輩とケンカでもした?」 俺のバットを磨く手がとまる。 「図星だろ?あー!わかった!しつこく迫ったんだろ。『雫ちゃーん!』って!」 声色を変えて演じる裕也に鳥肌がたつ。