退院して2日目。 夏休み中の学校だけど、野球部だけは休みなく練習をしていた。 「おっ!おすっ!湊!」 打撃練習をしていた裕也が俺に気づき、手を振った。 俺はそれに答えず、ベンチに座る。 「……らしくねえ。どうしたんだよ。」 裕也が俺の隣に座った。 「別に。どうもしてねえよ」 「わかったー。片瀬先輩に愛想つかれたんだろ?」 いつもなら、笑いながら「ちがうって」と否定できたんだろうけど、今はちがう。 俺の黙り込む姿を見て、裕也がはぁっとため息を吐いた。