夕方になり、俺はリハビリに行かずに、病室でずっと作詞ノートを読んでいた。
すると、コンコンと病室のドアがノックされた。
作詞ノートを慌てて隠す。
「……綾野くん。いる?」
入ってきたのは、練習を終えた心春先輩だった。
手には紙袋を持っている。
「……ケーキ。買ってきたんだ。食べない?」
心春先輩は紙袋から、美味しそうなチョコケーキを取り出すと、皿に取り分けた。
「リハビリ、行ってないの?」
「はい。……なんか、そんな気分じゃなくて……」
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