信号が赤になることさえ、もどかしく思えた。


湊くんが苦しい思いをしてる。

私がそばについてやらないと。


詠斗の時みたいに、もう失いたくないよ。


大切な人を、私は守りたいんだ――。


走って、走って、息が切れても、止まらなかった。


1秒でも遅れたら、湊くんがどこか遠くに行っちゃいそうで怖かった。


しばらく走り続けると、やっと病院が見えてきた。
 

止まらずに病院の中に入る。


「あのっ……!!湊くんはっ……!!」


受付に向かい、息を切らしながら聞いてみた。