「選手権大会、いよいよ明日かー」 隣にいる心春が選手たちの練習をみながら呟いた。 選手権大会……。 信太は、大丈夫なのかな? あれから、信太には会ってない。 家は近くなのに、姿も見てない。 このまま、何もなければいいけど……。 「雫?どうかした?」 ボーッとしてる私に心春が心配そうに聞いてきた。 「う、ううんっ!何でもない。選手権大会、楽しみだなって!」 「楽しみな分、あそこで負けたら、俺たちの夏は終わる。」 バットを磨いていた透が、私の隣に来て切なそうに目を細めた。