「……あれ?図星すぎて何も言えねえの?ま、ありがとな。要注意人物がわかったよ」


信太は本を私の机に置くと、部屋を出ていった。


私はその場に崩れ落ちた。


ボロボロと涙が出てくる。


忘れたわけじゃないよ。


私は、前に進もうとしてるだけ。


ねえ、詠斗。


これは、私のワガママなの?


「答えてよっ……!!詠斗っ!!」


詠斗からもらったお守りを握りしめて、叫んだ。


悔しくて、悔しくて……。