「どこに当たっても全力でやる」 「おっ!かっけーな。片瀬先輩のためにか?」 「……」 無言で亮をにらみつけてから、俺は心春先輩の横に座っている雫をみた。 どこか緊張した面持ちで透先輩を見ている。 別にお前が試合に出る訳じゃないのに。 きっと俺たちと同じ気持ちでいてくれてんだな。 そう思うと、すごく嬉しかった。 「おい。湊。聞いてるのか」 透先輩に言われ、俺は慌てて「すみません」と謝る。