それにしても、相変わらず佳祐はファイティングポーズをやめない。



「こら、おどれ!」



雫の言葉に、佳祐がピクッとなる。



「人が真剣に悩んどるのに、なんや?やる気か?」



「いや、雫さん・・・佳祐のこれは病気みたいなもんで・・・」



「そうそう、生まれつき、天性のものなんだよ。だから、雫さん?その手に持ってるバットに釘がいっぱいついたもの下げてくれるかな?」



俺と元気で雫をなだめ、雫はようやく、釘バットをしまってくれた。



「にしても、お前!」



雫が標的を変え、ハンスを指差す。



「しゃべられへんのならやめいや!」



「フッ、これも作者の都合なのだよ、ベイビー」



「さ、作者?ベイビーやて?・・・あかん、ごっつ腹立つわ」



再び釘バットを振り回す雫を元気と俺で静止する。