「あ・・・ども」



生徒会室に行く途中に影の薄い、憂と鉢合わせになった。



「・・・生徒会室ですか?」



「まあな」



「・・・そうですか。なんか、なんか不吉な予感が・・・」



「じょ、冗談やめろって!」



憂がまるで呪われたかのように鳥肌をスッと見せながら話す。



腕、白いな。



「・・・佳祐さん、靴紐、千切れています」



「えっ?」



見ると、佳祐の靴紐が本来ならあり得ないようなところから千切れていた。



「・・・あ、今、元気さんをカラスが見て鳴きました」



「うそ?」



憂の差す方向に1羽のカラスがいた。



「・・・あ」



今度は何だ?



「・・・く、黒猫が横をよぎりました」



「って、なんで黒猫が校内をウロウロしてるんだよ!」



「・・・まあ、ご無事を祈ってます」



大袈裟だな・・・でも、そんなことも憂が話すとおぞましさが増してくる。