「で、その擦り傷は、凛子ちゃんにやられたってわけかー」
俺は、学校に着くなり、佳祐にそのことを話した。
二本松 佳祐(にほんまつ けいすけ)とは、俺の小学校の頃からの親友だ。
撮り鉄の電車オタクで、俺の唯一の特技である「東海道本線の駅名が全部言える」ようになったのは、佳祐の影響だ。
ただ、このメガネは、電車好きにもかかわらず、重度の閉所恐怖症で、電車に乗れない。
そのため、トイレに行っても、必ず若干、扉を空けていないとうんこもできないのだ。
おまけに知的そうなメガネをかけていながら、成績は俺とどっこいどっこいで、そんな馬鹿なところが俺と気が合ったんだと思う。
「そういえば、元気は?」
「ああ、ほら・・・」
佳祐の差した先には、巨漢がロッカーの中の荷物を入れたり出したりしていた。
こいつが、さっき話した福島 元気だ。
肥満体質のくせに、暴飲暴食はしない、かなりグルメな奴だ。
こないだ近所のラーメン屋に行ったときも、スープを飲んだだけで、何でダシを取っているか瞬時に当てて見せるほどだ。
駅弁も多く食べていることから、撮り鉄の佳祐と気が合い、それから親友になった。



