「ここが、父さんの控室ね!」



凛子に連れられ、おじさんの控室にやってきた。



「おお、凛子とジローくん。今日はありがとうな!」



「いえいえ、これ、試合前で申し訳ないんですが、花束です」



俺は、さっき凛子と一緒に買った花束をおじさんに渡した。



「おお、ありがとうな。これは、二人で?」



「はい。二人で選んで、お金を出し合って買いました」



本当は嘘。
有無を言わさずに俺が全額、1800円を支払わされた。



「そうか。凛子、こんなことになってすまない・・・」



おじさんは本当に申し訳なさそうに凛子に謝る。



しかし、凛子は、笑顔で、



「ううん。頑張ってね!」



そう言った。