世間は夏休みになっていた。

浪人生は、
夏期講習の真っ只中!!

そんな中、
日本史仲間の3人で、
秩父に行かないか?
と言う事になった。

A氏と、私と、0列目の一人。

彼女は多分、
A氏のことが好きなんだと思う。

彼女とA氏が、
何やら二人だけで、
話していたりしているもの♪

私はA氏なんて、
もうどうでも良いのだから……。

A氏が、
秩父に行こうと言い出したのは、
A氏の母校の、
歴史研究部で、
秩父事件を
調べていたからなんだって!!

A氏が、ちょくちょく、
高校に出没するのは、
卒業したはずの部活の先輩が、
後輩の指導に、
現れていたからなのね!!

確かに、
毎日、学生服みたいな色合いの私服着ていたら、
高校で、学生に紛れても、
高校生にしか見えない!?

美術研究所の先生方と、
同じくらいの年齢だったりするけれど、
A氏よりも、
大人だったわ!!

やっぱり、
大学に行くと行かないで、
A氏はまだ高校五年生気分でいるに違いない。

たまには気晴らしするのもいいな♪

秩父は、観音霊場のお遍路さんのお寺さんに参拝して、
合格祈願しなくちゃ……。

大学に合格出来なかったら、
出家して、
尼さんになるのもいいかも……。

俗世間のしがらみからも、
このまま化け物みたいに見られるなら、
家族からも逃れて、
世捨て人になるんだ!!

どうせ結婚出来ないなら、
それでもいい……。

私は、真面目にそう考えていた。