予備校の講座で、
私は、漢文の授業を選択した。

漢文の講師は、
有名講師ではなかったので、
いつもの教室より空いていた。

T先生が、入ってきたら、
見た目20代半ばで、
骨太のガッチリ系!

細い垂れ目だけど、
体格のイメージは、
神野新一そのものだった!!

声も澄んでいて、
なんだか母性本能が、
くすぐられる!?

T先生は、
中国語も話せて、
中国に行った事もあるという!

どんな先生なんだろう?

漢文は、一二点や、レ点、上中下とか小さく書いてあって、
何でそうするのか?
わからないまま、
学校で習ってきたけれども、
T先生の講座は、
そもそも、何故左下に小さくレ点とか入れるのか?

という所からの説明で始まった。

中国語というのは、
英語の文法と似ていて、
日本語の語順なら、
主語 述語 動詞
になるけれど、
中国語は、
主語 動詞 述語
になる。

だから、
  我(主語)
   ハ
  是(動詞)
 二 ナ
   リ
  日
  本
  人(述語)
 一

我は、日本人なり(是:英語のbe動詞の役割)
I am Japanese.

と、同じような語順の外国語だという。

要は、日本語の古文で、
中国語にない送り仮名を片仮名で、
右下にふり、
語順を日本語の並び方にするために、
左下のレ点などが書いてある場合、
先に読まないで、
記号の決まり通りに読んで、
日本語で読めるように、
工夫したのですね♪

日本人は、
昔の中国語を
漢文として、
日本語のまま訳せる工夫をしたので、
音読み、訓読みが出来て、
1つの漢字に、
色々な読み方が出来た訳だ。

そして古くはポルトガル語が、
金平糖やカステラ、合羽(カッパ)のように、
戦国時代に採り入れられた外来語で、
もう日本語だと思っている言葉になっている。

英語もまた、
カタカナ英語として、
漢字の熟語みたいに、
日本語の一部みたいに採り入れられている!

韓国語のように、
外来語が、
相手の言語に極力近い発音で、
入ってくるから、
相手の言語の言い方で、
名前を読んだりするけれど、
日本語や、中国語では、
自分の国の読み方で、
発音する。

だから、同じ漢字文化圏であっても、
発想が違って、
朝鮮半島では、
中国の漢字を
導入した時に、
一部の知識人しか読めない文字になった。

しかし、朝鮮半島の言語は、
日本語の語順と一緒で、
チョ(私) ヌン(は) イルボム(日本)サーラム(人) イムニダ(であります)。
となる。

朝鮮半島では、
ハングル文字が出来たが、
日本語の平仮名やカタカナで、
全部書かれているようなものだと言われる。

日本語の奥深さ、
中国の漢字の面白さを
この講座から感じ、
以前読んだうろ覚えの知識な本のことを
講座が終わって、
T先生に質問してみた。

「万葉集を中国語で読んだらどうですか?」

「万葉集!?
中国語で読んだら、
意味をなさないですよ!!」

あ!
しまった!!
うろ覚えで、
聞いて、
馬鹿みたい!!

T先生に、
バカな娘と、
思われちゃった〜!

変な質問して、
後悔した。