美大受験を経験した私は、
精神的にも、肉体的にもボロボロだった。

いつも通り、
食事はよく食べていたけれど、
手足や全体的にがげっそり痩せてしまった。

受験に失敗したのは、
美大受験を甘く見ていたからで、
漫画家になるのなら、
ちょっと遠回りの方向だったと思った。

才能も、デッサン力もない私には、
そう簡単に、
合格など出来なかったのだ。

この先、
美大受験は無理だと感じたので、
予備校に通うことになった。

すんなり進路変更は、
出来なくて、
しばらく頑張ってみたら、
親が、折れてくれた。

美術の実技よりも、
学科の評価が高くて、
この先、実技が低い中から上がるよりも、
学科の方をのばしてみたら、
なんとかなりそうだと思ったのだ。

しかし、私の通った高校のレベルでの成績だと、
受験校と比較したら、
どのみちレベルは知れたものだった。

普段、サボっていたツケがまわってきた。

予備校では、
基礎学力強化をするクラスになった。

ここまで、勉強するものだったのかと、
あらためて驚いた。

予備校の講師たちは、
授業が分かりやすい人が多かった。

ここで、女子の浪人生は、
珍しいので、
すぐに友だちになった。

皆、電車で遠くから、
通っていたので、
あまり同じ学校の生徒を見かけなかった。